<レスリング:全日本選手権>◇初日◇21日◇東京・代々木第2体育館

 男子の松本兄弟が、悲願に前進した。グレコローマン60キロ級の兄隆太郎(25=群馬ヤクルト販売)が3連覇、フリー84キロ級の弟篤史(23=ALSOK)もノーシードから初優勝し、全日本選手権で初めて2人同時優勝を飾った。ロンドン五輪に1歩前進する優勝に、「とりあえず良かった」と胸をなで下ろした兄。弟も「これでこけたら、ロンドンへの道が断たれる。ホッとした」と喜んだ。

 兄が「自分の試合より緊張した」という中、篤史は2回戦で、今年の世界選手権代表の松本真也(27=警視庁)を撃破。決勝でも、全日本選抜や国体で敗れていた門間順輝(25=秋田市消防本部)を退けた。この活躍が「刺激になった」と、隆太郎も圧勝につなげた。

 来年3月のアジア予選で2人は、五輪枠獲得と出場内定に挑む。「兄に、自分もついていく」と篤史。隆太郎も「(今年の世界選手権に同時出場した)湯元兄弟に負けないよう、自分たちも」と意気込んだ。