2012年度予算案が24日に閣議決定され、スポーツ関係予算は11年度より約10億円増となる過去最高額の約238億円となった。8月に施行されたスポーツ基本法を踏まえ、トップ選手の強化とともに出産や育児との両立を目指す女子選手への支援が拡大された。

 国による競技力向上への支援態勢が強まり、来年のロンドン五輪でメダル獲得が期待される競技を医科学面や用具開発で重点強化するマルチサポート事業は、約5億円増の約27億円を計上。前年度並みの約26億円だった日本オリンピック委員会(JOC)への補助金を上回った。

 潜在能力がある選手を強化育成する新規事業の約5億円を加えると、国の「ナショナル競技力向上プロジェクト」は合計で約32億円となった。

 「なでしこジャパン」の追い風を受け、男子に比べて競技環境が恵まれない女子選手に特化して長期的に支援する新規事業にも9200万円が充てられた。スポーツ基本法で柱の一つとした地域スポーツとトップ選手の「好循環推進」を目指す事業は約6億円だった。