<男子テニス:国別対抗戦デ杯ワールドグループ1回戦・日本-クロアチア>◇初日◇10日◇兵庫・ブルボンビーンズドーム

 神戸市の中心街から電車とバスを乗り継いで約1時間半。のどかな山あいの会場が「錦織フィーバー」に沸いた。日本-クロアチア戦に、全豪オープン男子シングルスで日本選手80年ぶりの8強進出を果たした錦織圭(22)が凱旋(がいせん)。目当ての観客が固唾(かたず)をのんでプレーを見守った。

 1日約1800席の入場券は、1月中に最終日までの3日間分が売り切れた。兵庫県川西市の玉木彰さん(61)、恵子さん(59)夫妻は「全豪の初戦で勝ったときにデ杯が兵庫県であるのを知って、すぐにチケットを取った」という。午前4時に駆け付けたファンもおり、開場する前に約800人が列をつくった。

 テニスクラブに所属する岩本耕之介君(12)と晋之介君(7)の兄弟は9日夜、指導者でもある両親と車で島根県吉賀町を出発し、午前5時に来場した。「将来はナショナルチームが目標」と話す晋之介君たちは地元島根が生んだヒーローに熱い声援を送った。