<競泳:ロンドン五輪オーストラリア代表選考会>◇16日◇オーストラリア・アデレード

 男子で5つの五輪金メダルを持つイアン・ソープ(29)が200メートル自由形で五輪出場を逃した。「すごくがっかりしている。もっと速いタイムで泳げると思っていた」とうなだれた。

 最低でもリレー要員に選出されるためには決勝に進んで6位以内に入らなければならなかった。予選こそ1分49秒16で通過したが、準決勝は全体で12位の1分49秒91に終わって敗退した。

 「何が起きても引退はしない」と覚悟を決めて迎えた大一番だったが、厳しい状況に追い込まれた。18日に始まる100メートル自由形で五輪に挑む。

 2006年に引退し、昨年11月の競技会で復帰してからの成績は芳しくない。3度目の五輪挑戦は無謀との声も聞かれ、本人も地元紙への寄稿で「これ(五輪挑戦)を始めた時、失敗に終わる可能性が高いと思った」と不安を吐露していた。

 オーストラリア水連から、他のトップ選手の10倍近い10万豪ドル(約880万円)の強化費をもらっていたことが大会前に報じられて騒ぎになった。代表のニュージェント監督はソープが代表入りを逃した場合には選考基準の再考を求める考えを表明して波紋を広げもした。