1896年にアテネで開かれた第1回五輪マラソンでギリシャの故スピリドン・ルイス選手に贈られた優勝カップが18日、ロンドンの競売大手クリスティーズでオークションに掛けられ、約54万ポンド(約7000万円)で落札された。

 クリスティーズによると、五輪関連の品としては世界最高の落札額。ギリシャの民間財団が国外流出を避けるため落札、今後一般公開する予定。ギリシャは財政危機にあえいでおり、財団は「優勝カップが国の誇りを取り戻すきっかけになってほしい」としている。

 優勝カップは高さ15センチの銀製で、出品したのはルイス選手の孫の男性。DPA通信によると、男性は経済的な理由から売却を決め、ギリシャの地元紙に対し「国などに売ろうとしたが、資金がないと断られた」と話していた。

 この日の競売では、1948年に開かれた前回ロンドン五輪の聖火トーチや、過去の五輪のポスターなども落札された。