7月27日に開幕するロンドン五輪の聖火の採火式が10日、ギリシャ西部の古代五輪発祥の地、オリンピア遺跡で行われ、同五輪組織委員会のセバスチャン・コー会長らが見守る中、快晴の太陽光線から聖火が採られた。

 ヘラ神殿跡で伝統儀式に則し、凹面反射鏡で太陽光線を集めて採火した。隣接する古代五輪のスタジアムで、みこに扮(ふん)した女優が第1走者の水泳オープンウオーター世界選手権覇者、スピロス・ヤニオティス選手(ギリシャ)のトーチに火を移し、リレーが始まった。

 国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は「ロンドンは3度目の五輪で世界を歓迎する準備ができている」とあいさつした。前回の北京五輪の採火式では、中国によるチベット自治区ラサでの暴動鎮圧に対する抗議行動で混乱したが、今回は順調に行われた。

 財政危機にあり、6日の総選挙後も政局が混迷するギリシャでのリレーは17日まで。聖火は18日に英国入りし、19日から70日をかけ全国を巡る。