国際オリンピック委員会(IOC)は23日(日本時間24日)、カナダのケベックで開いた理事会で2020年夏季五輪招致の書類による第1次選考を行い、1964年以来の五輪開催を目指して再挑戦した東京、マドリード、イスタンブール(トルコ)の3都市が最終選考に進んだ。今後IOCによる現地調査などを経て、開催都市は来年9月7日に決定する。

 ドーハ(カタール)とバクー(アゼルバイジャン)は落選した。

 東京都の石原慎太郎知事は都庁で記者会見し「予測通りの結果が出た。本当の激しい戦いはこれからだ」と述べた。

 IOCは第1次選考のために作成した各都市の報告書を公表。東京は中央区晴海に予定する選手村から半径8キロ圏内にほとんどの会場を配置したコンパクトな計画や豊富な宿泊施設が高く評価された。一方で東日本大震災後の原発停止で電力供給に不安が生じ、東北で放射線量が基準値を上回る地域があることも指摘された。IOCの調査で開催支持率が47%と低く、市民の理解を得る必要性にも言及された。

 招致委員会の竹田恒和理事長は「指摘された点を改善したい。支持率は伸ばせるようにさまざまな形で努力したい。(原発問題は)国にも要請しながらいい方向性を見いだしたい」と課題解消に努める考えを示した。

 前回の16年五輪招致で東京は第1次選考をトップで通ったが、最終選考でリオデジャネイロ(ブラジル)に敗れた。今回は総合でのランク付けはなかった。

 開催都市を選ぶIOC総会はブエノスアイレスで開かれ、約100人のIOC委員が投票する。