<フィギュアスケート:全日本選手権>◇22日◇札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

 女子ショートプログラムで首位に立った27歳の鈴木明子(邦和スポーツランド)は、苦笑いだった。

 直前の6分間練習で、連続3回転ジャンプが1度も決まらず、不安の中で始まった演技。その冒頭の連続ジャンプは、最初の3回転トーループの着氷が伸びなかったため、後半をとっさに2回転に切り替えた。大技に挑めず「すごく悔いが残る」と振り返ったが、その後は伸びやかな演技で観客を魅了した。後悔の念を引きずることなく、65・09点。「順位が1番で、点数が出ていてすごくびっくりした」と驚いた。

 12度目の挑戦となる全日本選手権で、過去最高順位は2位が2度。最も高い表彰台に上ったことは、まだない。「今年1年の集大成として、伸びやかに演じたい」と自らに言い聞かせた。