ニューヨーク市中心部のグランドセントラル駅構内で15日、レスリングの米国選抜がイラン、ロシア両国の選手と公開試合を行った。2020年夏季五輪から除外の危機にあるレスリングの存続を訴えるため、米国協会が両国を招待。同協会によると、断交状態のイランのレスリング選手が米国で試合をするのは03年の世界選手権以来だった。

 米国協会の五輪存続委員会で活動するロジャー・フリゼル氏は「他の分野では協力できない国同士が、五輪に残るという共通のゴールに向かって、レスリングを通じて一つになれる」とスポーツの力をアピールした。

 試合は在米イラン人の熱狂的な応援を受け、イランが6-1で米国に圧勝。アミル・パシリ渉外担当は「レスリングに限らず、スポーツは時に政治を超えられる」と話し、フリースタイル96キロ級のハメド・タタリ選手は「五輪からなくなるなんて考えられない」と存続へ支援を呼び掛けた。