国際オリンピック委員会(IOC)の理事会はまず、8つの候補を3つに絞り込むことを決めた。ロゲ会長を除く理事14人による投票は、ラウンドごとに過半数を獲得する競技が出るまで最下位または得票0の競技を除外していく方式だった。最初の候補を選ぶ第1ラウンドの1回目でレスリングがいきなり過半数の8票を獲得し、予想通り選ばれた。

 野球・ソフトボールはそこで0票だったが、レスリングが“一抜け”したため、もう一度ゼロから始める次のラウンドに進めた。ここでも1回目で1票と危うく除外されそうになりながら巻き返し、最後は空手との決選投票を9-5で制した。

 6競技で最後の候補を争った第3ラウンドはスカッシュが1回目の3位から票を伸ばし、3回目で過半数の8票を獲得した。当初、有力候補の1つとみられた空手が1回目でトップの5票を得ながら2回目に最下位の2票に急降下し、落選する不可解な動きもあった。

 9月のIOC総会は約100人の委員による投票となる。今回の票の流れを見ると「レスリング本命」の構図が浮かび上がる。