<アメリカンフットボール:パールボウル:鹿島17-10富士通>◇決勝◇24日◇東京ドーム

 鹿島が富士通を下し、4年ぶり8度目の春の東日本社会人王座に就いた。両者は昨年秋に2度対戦し、いずれも鹿島が勝利しており、富士通の雪辱は成らなかった。

 MVPは鹿島WR岩井悠二朗(28)が獲得。また、今年新設のギャツビー賞(マンダム提供)には、富士通RB進士祐介(31)が輝いた。鹿島

 0・0・14・3=17

 7・3・

 0・0=10富士通

 【第1クオーター】

 乃木坂46斎藤ちはるのコイントスで試合開始。最初のシリーズ、富士通は自陣27ヤードからの攻撃となった。するとQB平本からRB神山、RB金へのショートパスでファーストダウンを獲得。さらにWR宜本へのロングパスも決まって、敵陣30ヤードまで進んだ。そして、第4ダウンギャンブルで20ヤードまで攻め込むと、宜本へのパスの後、最後は5分0秒、RB進士の7ヤードTDランで先制した。

 対する鹿島はRB丸田主将がランでファーストダウンを連続獲得。敵陣37ヤードまで進んだ。しかし、FGトライを富士通DL安井にブロックされ、得点には結びつかない。一方、富士通はパスを受けた金が55ヤードのロングゲイン。一気に敵陣10ヤードまで攻め入る。しかし、こちらもFGが外れ、追加点とはいかなかった。

 【第2クオーター】

 富士通はQB平本が自ら走ってファーストダウンを獲得。ゴールに迫ると、2分45秒、K後藤が21ヤードのFGを決めた。

 対する鹿島は、再びRB丸田が走る。WR宮本も走って前進するが、なかなか敵陣まで攻め込めない。すると富士通は、RB神山のランなどで前進。平本からTE春田へのパスなどでエンドゾーンに迫る。しかし、後藤のFGトライはゴールポスト左に外れた。

 早く得点したい鹿島だが、QB山城が富士通DL岡本にサックされ、攻撃が続かない。前半は富士通が10点差をつけて折り返した。

 【ハーフタイム】

 東京ドーム初登場の乃木坂46が、Xリーグチアリーダー140人とコラボ出演。ヒット曲「おいでシャンプー」、7月3日発売の新曲「ガールズルール」を聞かせた。

 【第3クオーター】

 自陣23ヤードからの鹿島の攻撃は、QB山城からRB岩井へのパス。一気に敵陣29ヤードまで攻め込んだ。すると0分45秒、QB山城からWR前田への29ヤードTDパスが決まり、後半開始早々、7点を獲得した。

 勢いづいた鹿島は次の攻撃シリーズ、WR宮本が右サイドラインをついて、ゴール前5ヤードに迫る。すると山城から岩井へのTDパスが決まって、6分15秒、逆転に成功した。

 追う立場に変わった富士通は、この日好調のWR宜本がランで大きく陣地を挽回。しかし、得点にまでは至らない。対する鹿島も富士通の厳しいディフェンスに遭って、攻撃が続かない。試合は小康状態となった。

 【第4クオーター】

 互いが死力を尽くした最終Q。先にリズムをつかんだかに見えたのは富士通だった。QB平本からTE大橋への24ヤードのパスなどで前進した。しかし、その後は攻め手を欠き、得点には結びつかない。一方、鹿島も簡単に攻撃権を失い、両チーム無得点の時間が続いた。

 そこで鹿島は、QB山城からWR前田へのパスで14ヤード前進。さらに山城が自ら走って、敵陣23ヤードまで進んだ。そして、RB丸田、WR永川のラン、WR藤森へのパスでエンドゾーンまで14ヤードまで迫ると、12分5秒、K青木が31ヤードのFGを決めた。

 7点差を追う富士通の残り試合時間は2分55秒。相手のフェイスマスクの反則もあって前進したが、残り59秒、鹿島DL鈴木修平が値千金のQBサックを決めた。そして、残り43秒、富士通の第4ダウンギャンブルが不成功に終わり、最後は鹿島がニーダウン。4年ぶりの優勝が決まった。