三重県内の高速道路で11日朝に車を運転中に亡くなった吉田沙保里選手の父栄勝さん(61)。「本当ですか…」「東京五輪に向けて頑張っていたのに…」。突然の悲報に知人らは言葉を失った。

 午後1時ごろには、栄勝さんの遺体がワゴン車に乗って津市の自宅に到着。栄勝さんが指導していたレスリング教室の関係者が出迎え、すすり泣く声も漏れた。

 栄勝さんの次男で、自身もレスリング選手だった栄利さんが報道陣の前で「父は皆さんのおかげで最高の人生を送ることができました」とあいさつ。「どんなお父さんでしたか」との質問には「父は偉大すぎて…」と言ったまま、涙を浮かべ言葉を詰まらせた。

 近くに住む70代の女性は悲報を知らされると「えっ、本当ですか」と驚いた様子。64歳の女性は「つい最近も家族そろって買い物に出掛けていたのを見かけたばかり」と振り返った。

 津市レスリング協会元代表の加藤桂輔さん(42)は「東京五輪に向け、吉田選手とともに頑張っていたのに…」と悼んでいた。