東京都議会定例会の代表質問が17日行われ、舛添要一知事が2020年東京五輪・パラリンピック会場の見直しについて「近隣県までを含めた既存の施設の活用」との基本的な考えを示した。昨年9月、招致を勝ち取ったセールスポイントである「8キロ圏内」のコンパクトな開催とは逆行したプランとなる。

 「整備工法の見直しによる整備費用の圧縮」、「環境面などに配慮した会場設計」を加えた3点を見直しの柱とした。その理由を「整備コストの高騰の懸念にどのように対応するのか、こういった視点から見直す」と話した。

 またカヌー、スラローム会場についても言及。立候補ファイルでは葛西臨海公園が会場とされているが、日本野鳥の会が自然破壊を懸念し、反対を表明。舛添知事は「葛西臨海公園は高潮対策などの防災機能を担いながら、年月を掛けて現在のような都民の憩いの場となった歴史的背景がある」とし、「隣接する下水道局の用地を活用するなど、所管局に指示し、検討している」と、会場変更への準備を進めていることを明かした。