柔道の五輪金メダリストで日本男子重量級の一時代を築き、全日本柔道連盟(全柔連)強化委員長の斉藤仁(さいとう・ひとし)氏が20日午前2時56分、肝内胆管がんのため大阪府東大阪市の東大阪市立総合病院で死去した。54歳。

 細川伸二氏の話

 (ロサンゼルス、ソウル両五輪で日本代表として斉藤氏とともに闘い)ソウル五輪では彼が最後のとりでとなり、日本柔道を守ってくれた。あの時は一緒に涙を流したものだ。責任感が強く、意気に感じる男だった。非常に残念でつらい。

 上村春樹・講道館館長の話

 現役時代は私が斉藤君の担当コーチをしていた。ゴムまりのような体に運動能力を備え、しっかりとした技に粘っこさもあった。親分肌でもあり繊細。リオデジャネイロ五輪、東京五輪へ向けて、柔道界で欠くことのできない存在だった。