NHLで活躍し、2002年のソルトレークシティー冬季五輪ではカナダの50年ぶりの金メダル獲得に貢献した日系3世のポール・カリヤ(36)が29日、代理人を通じて現役引退を表明した。脳振とうによる後遺症に苦しみ、昨シーズンはプレーしていなかった。AP通信などの米メディアが報じた。

 カリヤは代理人を通じ「プロ選手になるのが夢だった。多くの人のサポートがなければ、成功はなかった。感謝したい」とのコメントを発表した。

 バンクーバー生まれのカリヤは1993年ドラフトの全体4位でマイティダックス(現ダックス)に入団。主力として弱小チームを押し上げ、03年には王座決定戦のスタンリー・カップ決勝進出を果たした。NHLでは通算402得点を挙げ、95~96年シーズンから能力とスポーツマン精神を総合的に評価する「レディ・ビング賞」を2季連続で受賞した。

 アバランチなどを経て、07年にブルースと契約したが、試合中の激突による度重なる脳振とうのため、09~10年シーズンのプレーが最後となった。