<V・プレミアリーグ:パイオニア3-2武富士>◇9日◇山口県スポーツ文化センターほか

 パイオニアが執念のミラクル勝利で、最終ラウンド進出(4位以内)に望みをつないだ。9位武富士にセットカウント1-2とされ第4セットも20-22と追い込まれたが、逆転でフルセット勝利を収めた。4位NEC、5位岡山シーガルズを含めた3チームが13勝12敗で並ぶ中、セット率で及ばないパイオニアだが、レギュラーラウンド残り2連戦に命運を託す。

 勝利の瞬間、レフト栗原が目頭を熱くさせた。敗色濃厚の、土壇場からの逆転劇。吉田監督は「第4セットは覚悟した。よくあそこから逆転した。選手が頑張ってくれました。希望が来週につながった」と胸をなで下ろした。

 試合前の時点では、最終ラウンド進出圏内の4位岡山シーガルズを1勝差で追っていた。この一戦を落とし、岡山シーガルズが勝てば最終ラウンド進出の道が絶たれる大事な武富士戦。レギュラーラウンド2戦を残して、夢を途切れさせるわけにはいかなかった。

 指揮官が称賛した第4セットは、開始前に栗原が右足に違和感を訴えながら先発。1-3になって、今度は司令塔のセッター内田が右足けいれんで戦線離脱。最悪のムードの中で18-21まで離された。だがセナに代わってこの日、初出場したレフト佐々木主将が気迫でチームをけん引。左アタックでセットポイントを握り、第5セットもマッチポイントをたたき出した。

 栗原も、得意のジャンプサーブでノータッチエース2本を含む計26得点。最終セットは5連続を含む8得点で、エースの貫録を示した。若手セッター南も、内田に代わって後半2セットを切り盛りした。佐々木主将は「メンバーが代わっても勝てたのは大きい。まだ運があると思う。残り2戦を勝って4強入りしたい」と意欲を見せた。

 負けたら終わりの緊迫した状況下で、次戦(15日)は、今季2連敗している3位久光製薬と対戦する。吉田監督は「希望を持って、やるべきことをやるしかない」と最終ラウンド進出切符争奪戦を見据えた。【佐々木雄高】