フリースタイルスキーモーグルの長野五輪金メダリスト、里谷多英(31=フジテレビ)が19日、10年バンクーバー五輪までの現役続行を表明した。この日、今季最終戦となる全日本選手権(21日開幕、札幌)の公式練習に参加。「来季はW杯にも出たいし、世界選手権(猪苗代)、次の五輪でもう1度世界と戦いたい」と明言した。

 トリノ五輪の翌06―07年シーズンは腰痛などのため公式戦に出場できず、2年ぶりの実戦復帰となった2月のW杯猪苗代大会も14位に終わった。31歳という年齢もあり、進退が注目されていたが、今季、後輩の上村愛子(北野建設)がW杯5連勝で種目別優勝を決めたことなどが刺激になった。「みんなが結果を出し、そういう思いが生まれてきた。好きなスキーを続けながら自分自身と戦っていきたい」と話した。

 今季からモーグルはルールが変更され、ターンの得点が75%を占めるようになったことも、決め手になった。里谷はもともと世界一と言われるターンが持ち味。14位に終わったW杯猪苗代大会も、持病の首と腰痛に悩まされ「練習できない中での順位。手応えみたいなものは感じた」と、世界と戦える感触はつかんだ。

 2年間実績がなく来季、W杯代表への復帰は微妙。全日本選手権で結果が求められるが「今の自分の滑りをしたい。うまくいかなくてもそれを越えていきたい」。4月からさっそく陸トレに入り、肉体改造に着手し、来季に備える。