<女子テニス:カンガルー杯国際オープン>◇2日◇岐阜・長良川テニスプラザ

 37歳のクルム伊達が、日本3位にも勝っちゃった!

 約12年ぶりに現役復帰したクルム伊達公子(フリー)が、シングルス準々決勝で優勝候補の中村藍子(24=ニッケ)を破った。第1セットをタイブレークの末に奪い、第2セットは4-6で落としたが、第3セットを6-3として勝利。世界ランク80位で日本代表に名を連ねる実力者をねじ伏せた。奈良くるみ(16=大産大付高)と組むダブルスも勝ち、復帰戦での単複Vも現実味を帯びてきた。

 「元トッププレーヤー」が、13歳も年下の日本のトップを追い詰めていく。試合時間2時間49分。12年のブランクも、連戦の疲れもものともせず、クルム伊達が優勝候補筆頭の中村をフルセットの末に撃破した。「間違いなくハードだった。藍子ちゃんはスピードもタフさもある。普通のフルセットの倍くらい疲れました」。会見では言葉と裏腹に、満面の笑みを浮かべた。

 中村は現在世界ランク80位、最高47位にランクされたこともあり、日本代表として今年2月のフェド杯に出場した。そんな24歳を、百戦錬磨のしたたかさで封じた。前日1日はシングルス、ダブルスの2試合を戦い、この試合も第1セットからタイブレークの熱戦。第2セットに入り、疲労を感じ出すと「抜くところは抜いて行こう」と割り切った。第2セットを落としたのは想定内。勝負の第3セットは2ゲームを先取し、主導権を握った。連戦で疲労が蓄積する半面、勝負勘は研ぎ澄まされてきた。

 15歳の時からクルム伊達を知り、この日スタンドから試合を見つめた日本テニス協会の小浦武志強化本部長(65)は「昔のまんま。負けず嫌いが出ているし、勝負どころのギアの入れ方も知っている。突然の復帰に思えるかも知れないけど、去年の8月から現役時代と同じ練習をやってきた。ただ今日はかなりダメージを受けたから、体力だけが心配」と話した。

 現役復帰にあたり、杉山愛、森上亜希子、中村という日本のトップ3を「特別」として、とらえていた。その一角を早くも崩した。「明日の戦略ですか?

 まず100%動けるように疲れを取らないと」。3日はメラニー・サウス(英)と対戦。奈良と組んだダブルスでもこの日、第1シードの波形・米村組を破った。単複両方で、復帰戦優勝へ。37歳の進撃が止まらない。【上野竜一】