静かに炎が燃えた。3日に東京・有明コロシアムで開幕するプロバスケットボール、bjリーグのプレーオフ(~4日)に出場する4チームのヘッドコーチ(HC)が2日、同所で記者会見を行った。仙台89ERSの浜口炎HC(38)は、東京アパッチのジョー・ブライアントHC(53)と、にこやかに対面。だが会見後は「1発目を取らなければ後はない」と、初戦の地区ファイナルに気迫をみなぎらせた。

 神妙な表情の中に、メラメラとした勝利への執着心が垣間見えた。相手対策に質問が及ぶと、浜口HCは言葉をグッとのみ込んだ。隣に座るブライアントHCに、おどけるように肩を揺すられ相好を崩したがすぐに表情を戻し語り出した。

 浜口HC

 最後のポイントはディフェンス。(対東京今季)6試合平均で90点以上取られていますから。目標は85点以内。

 今季の対戦成績は3勝3敗、仙台の1試合平均は得点が94・3、失点は94・7と、まさにがっぷり四つの東京戦。その3勝中、2試合は85失点以内に抑えている。自他の分析が終了している証拠だ。発する言葉はすべて、いつも通り。毅然(きぜん)とした顔つきは緊張からではない。

 2年ぶりのプレーオフ。05-06シーズンは4位で出場したが、2敗で幕を閉じた。「前回は5割も達成せずプレーオフに入った。昨年は出ていない。チャレンジャーとして来た。自然体でやってきたことを出すだけ」。イースタン・カンファレンス1位の自負もあるが、一発勝負は別物と考えている。

 プレーオフには地元仙台から約500人のブースターがやってくる。前回出場時より200人も多い。「ブースターからパワーをもらって、いい結果を出せれば。1発目を勝たないと先は見えない。勝って何とか決勝の舞台に」。決して大きいことも、相手を挑発するようなことも言わず、静かに会場を後にした指揮官。名前の由来は「何事にも情熱を持つ子に」と父大(たけし)さん(74)が命名したという。情熱の炎は今日、有明で燃え上がる。【清水智彦】