<女子テニス:カンガルー杯国際オープン>◇3日◇岐阜・長良川テニスプラザ
37歳の伊達が暑さにも、外国人にも勝った!
約12年ぶりに現役復帰したクルム伊達公子(37=フリー)が、シングルス準決勝で世界ランク159位メラニー・サウス(22=英国)にストレート勝ち、決勝進出を決めた。気温30度の暑さも克服し、奈良くるみ(16=大産大付高)と組むダブルスも決勝に進出。復帰戦での単複V、さらに目標に掲げる11月の全日本選手権の出場権獲得へ「トリプル王手」をかけた。
過酷な暑さにも、37歳は負けなかった。この日の岐阜市内の最高気温は30度。今年初の真夏日の中、伊達は最後まで集中を切らさなかった。「コートに出てきたときは暑いって感じたけど、体を動かすと気にならなかった。苦しいこともなかった。基本的に暑さは嫌いじゃないんで」。世界ランク159位で22歳のサウスをストレートで下すと汗をぬぐい、うれしそうにラケットを振り上げた。
復帰後初の外国人との一戦。「国内の若い選手の刺激になれば」と復帰理由を話していた伊達には、ひとつだけ不安があった。相手が日本人の若手と違うことで「自分のモチベーションが上がらないんじゃないか」。だが、問題はなかった。「実際に朝、コートに入れば100%相手にぶつかっていけた。気持ちも自然に高まっていた」。タイブレークに流れ込んだ第1セットも、最後は粘り強くコート際を攻めて奪取。全盛期のような闘争本能が、よみがえっていた。
3日目を迎えたダブルスとの「ダブルヘッダー」もこなした。オーストラリアペアにタイブレークの末に、粘り勝ちした。シングルスとダブルスの試合の合間には、お尻、こ関節、内転筋と下半身を中心にマッサージを欠かさない。「若いころよりも、体のケアに費やす時間が長くなった」。一方で昨年8月からは朝6時に起きてランニング、9時から夕方5時までコートで球を打ち続けてきた。体力強化に努めてきた自負もある。「(右足の)アキレス腱(けん)は朝から違和感があったけど、動けばほぐれてくる。問題ないです」と胸を張った。
シングルス優勝なら、目標の11月の全日本選手権出場も確実になる。単複Vに加え「トリプル王手」がかかる最終日。「みなさんにテニスの魅力を感じてもらえるプレーをしたい」。復帰戦Vへ。復活したテニスの伝道者は、気力を振り絞る。【木村有三】



