<bjリーグ・プレーオフ決勝:大阪66-56東京>◇4日◇東京・有明コロシアム

 大阪エヴェッサが無敵の3連覇を飾った。東京との決勝は一進一退の白熱戦となったが総合力で上回り、66-56で勝利をつかんだ。リーグ元年から完全無欠の3連覇。天日謙作ヘッドコーチ(41)を中心に最強軍団をつくり上げた。リーグMVPは、途中4カ月の負傷離脱から最後は優勝に貢献したFリン・ワシントン主将(30)が2季ぶり2度目の受賞となった。

 大阪が3連覇の偉業を達成した直後、サプライズが待っていた。リーグMVPは、誰も予想していなかったワシントンに決まった。公式戦全46試合で欠場30試合。半分以上もコート外にいた男が異例の選出だ。

 「仲間の誰が選ばれても不思議じゃなかった。MVPが偶然、僕のところにやってきた」。本人も驚きの受賞だった。2年前の初受賞はチーム得点王など文句なし。今回はニュートン、Gマーシャル、ロティックと抜群の安定感で1年を支えた候補3人がいた。

 河内敏光コミッショナーは「まさか今季中に復帰できるとは思わなかった。誰も文句は言わないでしょう」と説明した。ワシントンは昨年11月18日の東京戦途中に救急車で運ばれた。右ひざ靱帯(じんたい)損傷、右ひざ関節内骨折・軟骨損傷、右ひざ外側半月板損傷という複数の重傷を負った。選手生命の危機。しかし、手術後は懸命のリハビリで4カ月後の3月に奇跡の復帰を果たした。復帰への努力が、MVPに値するという判断だった。

 「これほど僕を愛してくれたブースター(ファン)はいなかった。仲間がいて、僕が信じる神様がそばにいてくれた」。病院のベッドではファンからの千羽鶴や寄せ書きを見て不屈の闘志を燃やした。主将に就任した今季は自ら合言葉「ダイナスティ(王朝)」を提唱。「エヴェッサという絶対的な集団を作りたかった」という信念を、シーズン終盤に発揮した。大阪のV3とともに、不死鳥のように完全復活したワシントンが歴史の人となった。【横田和幸】