<陸上:高校総体>◇2日◇5日目◇埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場ほか

 女子砲丸投げ決勝で、竹山知佳(浜松湖南3年)が13メートル64をマークし、逆転で銀メダルを獲得した。4位で迎えた最終6投目で飛距離を伸ばして、2位の中田恵莉子(徳島・生光学園1年)と並んだが、2番目の記録で勝った竹山が2位に入った。目標だった優勝を逃して競技後は号泣したが、陸上の県勢最高順位を手にした。男子1600メートルリレー決勝で連覇が懸かった浜松市立は、エース不在の中で5位入賞した。

 意地と誇りが、最後の投てきに乗り移った。4位で迎えた6投目。竹山が放ったこん身の一投が、距離を伸ばした。13メートル64で、逆転銀メダル。優勝が目標だっただけに、競技後は「もっと飛ばしたかったので悔しいです」と涙が止まらなかった。だが、銀メダルを受け取ると「最後まであきらめなかったのが良かった」。ようやく笑顔が戻った。

 ボール投げが得意だったことで、天竜中1年で始めた砲丸投げ。159センチと、決勝に残った16人の中でも体はひときわ小さい。そのハンディを努力で補ってきた。ベンチプレスは最高85キロ。だが「必死で持てば100キロ近く上がる。一般でもそういない」と水野信人コーチ(64)。「背が高ければと思ったことは何回もある。でも、ほかで頑張れば勝てると思っている」。意地が、今季高校ランク2位まで押し上げてきた。

 カバンには、1冊のノートをしのばせていた。部員や級友、恩師、さらに中学時代の仲間までもが寄せ書きしてくれた「お守り」。中学3年の全日本中学選手権で、最終投てきで逆転された保平に再び敗れて2位だった。借りは返せなかった。だが「優勝はできなかったけど、このノートのおかげで最後に逆転できたのかな」。大事に抱きしめて、仲間に感謝した。【今村健人】