<卓球:全国高校総体>◇4日目◇5日◇埼玉・春日部市総合体育館

 女子ダブルスで青森山田の1年生ペア、森薗美咲・金恵美が優勝した。決勝で土田美紀・平田有貴(高知・明徳義塾ともに3年)を3-1で破った。男子は青森山田勢同士の決勝となり、王子康(3年)・山谷仁生(2年)が、上田仁(2年)・野邑大陽(1年)を3-2で下し優勝した。団体は準決勝が行われ、男女とも青森山田が決勝進出を決めた。

 優勝の瞬間、森薗と金は抱き合って大喜びした。2-1で迎えた第4セット、5-7とリードされたが、ここから粘りを発揮。一気に6ポイントを連取して優勝を決めた。強気な攻めが実を結んだ。

 森薗は小学校時代から活躍。年代別の海外の大会で優勝したり、今年3月の全日本ジュニアで3位などの実績を持つ。だが中学時代から全国タイトルには恵まれず「うれしい。初タイトルなんですよ」と声を弾ませた。ライバルの石川佳純(大阪・四天王寺1年)のペアが準決勝で敗れ、「やりたかった」ともいう。

 ペアを組んだ金は今年3月、中国から来日したばかり。北京五輪代表の福原愛(早大)の練習相手を務めてきた。森薗も海外遠征などで忙しく、ペアの練習をしたのは、大会1週間前、東京・ナショナルトレーニングセンターでなんと5分間だけ。だが1戦ごとに呼吸は合い、波に乗った。金も「とてもうれしい」と笑顔を見せた。

 森薗は、青森山田で男子勢に交じって練習。男子に劣らぬボールの威力を持つ。「喜んでいられない。団体とシングルスでも頑張らなくちゃ」と闘志を見せた。【北村宏平】