ボブスレーの06年トリノ五輪代表、桧野真奈美(28=道連盟)に、今季から専属の新コーチが就くことになった。元オランダ・ナショナルチームのコーチも務めたロバート・ゲイツ氏(49)で、10年バンクーバー五輪までの2年契約。2人乗りでコンビを組む相棒もほぼ固まり、五輪プレシーズンの今季は世界のライバルと互角に戦うための準備を進める。

 桧野が10年バンクーバー五輪に向けて心強い味方をつけた。新コーチのゲイツ氏は、11月24日のW杯開幕戦(ドイツ・ウィンターベルグ)から合流。今季は全戦帯同とはいかないが、02年ソルトレークシティー五輪のオランダ代表で、その後代表チームコーチも務めた大物の就任は、世界のトップを目指す上で大きな力になる。桧野は「世界と戦うためには現状ではだめ。世界との差を埋めて上位を目指したい」と強い決意を語る。

 昨季までオランダナショナルチームに帯同し、ゲイツ氏を知る桧野は、9月下旬にオランダに出向いて直接交渉し、口説き落とした。「(ゲイツ氏は)五輪メダリストからオファーがあるほど欧州では手腕を買われているコーチが、私の滑りを知ってくれた上で受けてくれた。言葉などの壁もあるが、きっと力になってくれるはず」。昨季までW杯出場選手の中でただ1人、専属コーチ不在だっただけに、戦える体制が整うことになる。

 今年を“変革の年”としている。7月に2年間所属したクラブチーム「とかちAA」を辞めた。4月設立の個人後援会が中心にスポンサー、所属先を探し、ほぼ内定した。相棒も代わる。桧野はパイロットと呼ばれる2人乗りそりの操縦役だが、スタートで世界に差をつけられたトリノ五輪の惨敗(15位)で、そりを押すブレーカーの重要性を痛感していた。今オフは全国の体育系の大学を回り、陸上選手などに積極的に働きかけ、有望な数人を見いだした。

 そりも約600万円をかけて新調する。「やれることはすべてやる。不安もあるが、やって後悔する方がいい」。今日22日から24日まで国内最後の全日本合宿(長野)に参加。11月の欧州遠征で最終的にブレーカーを絞り込み、冬本番を待つ。「今季は来季のためのシーズン。W杯で1ケタ順位をコンスタントに出せるようにしたい」。2年後の大舞台へ、桧野の挑戦が始まる。【松末守司】