<フィギュアスケート:GPシリーズ第1戦・スケートアメリカ>◇最終日◇26日(日本時間27日)◇米ワシントン州エバレット、コムキャストアリーナ

 前世界女王の安藤美姫(20=トヨタ自動車)が、4回転サルコーへの挑戦を回避して3位に終わった。大会前に「全試合で跳ぶ」と明言していたが、GPファイナル(12月10日開幕、韓国・高陽)出場を見据えて、コーチの指示で安全策を取った。結果的に演技全体でミスが目立ち、ショートプログラム(SP)の2位から順位を1つ落とした。中野友加里(23)もトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)などを回避しながら安定した演技で2位。SP1位の金妍児(18)がフリーでも抜群の滑りを披露し、合計193・45点で圧勝した。

 予告していた4回転ジャンプへの挑戦はしなかった。フリー当日朝の練習でも曲をかけて試していた大技を、安藤は本番で回避した。「今季は全戦で跳びたいと思う。たとえ状態が悪くても」という覚悟を、GPファイナル進出という目標のため急きょ開幕戦で方針転換した。

 直前まで4回転挑戦を望んだが、モロゾフ・コーチに「最初の試合はミスなくやるべきだ。無難にいこう」と諭された。昨季のNHK杯で同コーチの指示を無視して挑んだ2連続3回転で失敗した苦い記憶もあり、安藤も「今回の彼(モロゾフ)の選択は正しかった」と不満を表さなかった。

 大技の4回転を回避した以上、大差をつけられたSP1位の金を逆転することは困難になった。演技でも、ミスが目立った。冒頭の2連続3回転の2個目のジャンプが回転不足と判定され、スピンも安定感を欠いた。スパイラルでも体勢を崩した。芸術要素を表す5項目の得点が伸びず、「技のつなぎ」は5・65点と特に低調で、SP3位の中野に逆転されて3位に沈んだ。

 GPシリーズは6戦のうち最大で2戦しか出場できない。GPファイナル出場条件のGP総合成績6位以内を確保するために、今回は最低限の成績を残せたと言える。ただし10年バンクーバー五輪で世界一に就くためには必要不可欠。「次の中国杯で良い結果ならファイナルにも行ける。この結果には満足している。(4回転は)昨季から成長できている。次の中国杯はやる」。次戦の中国杯(北京)は11月6日に開幕する。