<卓球:全日本選手権>◇5日目◇17日◇女子ダブルス◇東京体育館

 「愛ちゃん2世」と呼ばれた15歳の石川佳純(ミキハウスJSC)が、本家との初対決で完勝した。平野早矢香と組んだ女子ダブルス決勝で、連覇を狙った福原愛(20=ANA)照井萌美組と対戦。強烈なスマッシュを次々と決めて初優勝を飾った。シニア初の全日本タイトルで、前日16日のジュニア女子に続く2冠。昨年まで2年連続4強入りしている女子シングルスでは、18日の準々決勝で福原と激突する。本家との初の一騎打ちも制し、88年度の佐藤利香の17歳1カ月を大幅に超える、史上最年少優勝を目指す。

 追いかけ続けた背中を目の前にして、石川が燃えないわけがなかった。幸先よく2ゲームを連取して迎えた第3ゲーム。8-9の1点ビハインドから、フォアハンドの強烈なスマッシュを決めた。相手の福原と照井が思わずのけぞる、この日1番の強打にガッツポーズ。直後から相手がミスを連発。最後は福原の返球が台をオーバーした。小学1年で卓球を始めて10年目。ようやくかなった4学年上の福原との初対決で、最高の結果を出した。

 シニアでの初タイトルでもあり、しばらく興奮は冷めなかった。「卓球を始めたころは、愛ちゃんしか知らなかった。初めて会った時は緊張した。やっとというか、試合ができてうれしい」。冷静に努めようとしても、少女のようにひとみは輝きっぱなしだった。

 小学6年時に全日本の女子シングルスに初出場し、コーチの母久美さんに「いつか対戦したいな。頑張れば可能性はあるよね」と話していた。日本代表合宿では、練習試合で単複で各1度ずつ対戦経験があった。07年3月に今回同様に平野と組み、福原、藤沼組に4-3で勝利。同年5月のシングルスは1-3で敗れた。両練習試合直後は、チーム公式サイトに普段の約5倍のアクセスが殺到。自身の夢がいつしか、待望のカードになっていた。

 今夏の北京五輪は家族と一緒にスタンドから観戦した。久美さんは「意識が変わったようです。『世界選手権とは全然違う。次は出たい』と話していた」。課題のフォアハンドの強打に磨きをかけ、この日の勝負を決める一打につながった。今年は中国スーパーリーグの下部リーグにも参加する。

 念願の福原とのシングルス初対決も18日の準々決勝で実現する。「シングルスは全然違う。挑戦者のつもりで臨みたい」。福原戦突破で勢いをつけ、15歳11カ月の史上最年少優勝まで一気に駆け上がるつもりだ。【高田文太】