<女子バレーボール・プレミアリーグ:パイオニア3-0日立佐和>◇25日◇山形・米沢市営体育館ほか

 ホームのパイオニアは、前日24日にフルセット負けした悔しさをストレート勝ちで晴らした。第1レグに続いて日立佐和に連勝。通算8勝7敗と再び白星を先行させ、6位に浮上した。新人ライト冨永こよみ(19)がリーグ初先発。3ブロックを含め、2試合連続の2ケタ得点になる計11点を挙げ、チームの雰囲気を盛り上げた。

 前日のフルセット負け後に、大粒の悔し涙を見せた冨永が、晴れ晴れとした表情で初のヒロインインタビューを受けた。前日は自己最多の14得点を挙げながら、勝利に結びつかなかった。冨永は「すごく緊張しましたが、昨日の悔しい思いを力に変えてプレーできました」と笑顔を見せた。

 今季2戦目の武富士戦(第4セット)でリーグデビューし、同8戦のシーガルズ戦の第3セットでセット先発。この日は前衛ライトで初先発し、第2セット以降はフル出場した。第1セットは11-14から反撃の口火になる右ブロックを決め、自らの右アタックで同セットをゲット。第2セットも右攻撃でセットポイントを奪った。2セッターの一翼を担う役割もこなし、最終セット終盤には機敏なオープントスでレフト栗原の左アタックをアシスト。「昨日がんがん泣いた選手が、どう変わるか見てみたかった」という吉田監督のスタメン起用に見事に応えた。

 昨春卒業した下北沢成徳(東京)3年時には日本ユース代表として世界ジュニア選手権メダル獲得に貢献。将来はロンドン五輪、日本代表の期待もかかる。吉田監督は「冨永でいけるというチーム内の信用も、今日でできたのかな」と成長を認めた。自らの名にひっかけ、大会パンフの自己PRに“こよみの上では冬ですが、私の中は燃える夏”と書き込んでいる冨永は「見てくれる人たちから元気をもらえたといわれるプレーがしたい」と先発定着に意欲を見せた。【佐々木雄高】

 ◆冨永(とみなが)こよみ

 1989年(平元)5月1日、東京都調布市出身。下北沢成徳中-下北沢成徳高を経て昨春、東北パイオニアに入社。高校時代はセンターを務め、2年時に全国選抜大会出場。3年時の全国私学大会2位。日本ユース代表としてアジアジュニア選手権2位、世界ジュニア選手権3位。現ポジションはウイングスパイカー、セッター。趣味はDVD鑑賞。好物はチーズ・和系スイーツ。最高到達点は303センチ。175センチ、67キロ。血液型B。