【バンクーバー(カナダ)3日(日本時間4日)=佐々木一郎】フィギュアスケートの世界女王・浅田真央(18=中京大中京高)が「三重苦」を乗り越え、連覇に挑む。10年バンクーバー五輪のプレ大会を兼ねる4大陸選手権は4日に開幕する。3日の練習で浅田は苦手の3回転ルッツが不安定だった上、ライバルの金妍児(18=韓国)は練習拠点がカナダ・トロントのため、準アウェーの状況。タラソワ・コーチが不在の中、五輪会場に好印象を残すためにも全力を尽くす。

 五輪会場となるパシフィック・コロシアムが、浅田にとってアウェーになってきた。開幕前日、ファンによってスタンドの壁に26枚の横断幕が掲げられた。浅田のものはゼロ。一方、金妍児は、地元カナダ勢を差し置いて最多の10枚。トロントで練習するライバルは、バンクーバーもホームにしつつあった。

 浅田は調子も上がりきらない。3日午後に練習用リンクで、ショートプログラム(SP)を通して滑った。公式戦では今季1度も跳べていない3回転+3回転の連続ジャンプを成功させた。だが、通し練習以外では、苦手の3回転ルッツが1回転になる場面もあり、課題を残した。

 今大会の位置付けは「次の世界選手権へ向けての1歩」と話す。欧州勢不在の4大陸選手権は3月の世界選手権(ロサンゼルス)より格下。個人的事情から、タラソワ・コーチも来場しなかった。しびれるような緊張感と異なる環境は、自分で乗り越えるしかない。

 金妍児(とのシニアでの直接対決は、浅田の3勝2敗。昨年3月の世界選手権は、コーチ不在で勝った。同12月のGPファイナルは、金妍児の母国・韓国で優勝した。浅田にとっての苦境は、吉兆ですらある。4日のSPの滑走順は、最終第6組の3番目。ライバルの直前に滑り、プレッシャーをかけにいく。