<スキー・フリースタイル全日本選手権:デュアルモーグル>◇最終日◇15日◇長野県白馬さのさかスキー場
女子モーグル界に、上村愛子2世が台頭した。デュアルモーグルで、上村の母校でもある白馬高1年の岩本憧子(あこ=16)が準優勝を果たした。予選を8位で通過すると、決勝トーナメントは相手の負傷欠場やミスなどが相次ぎ、決勝まで進出。バンクーバー五輪代表に内定している伊藤みき(21=中京大)に敗れたが、初の全日本でフレッシュな力を見せつけた。
あれよあれよという間に、岩本は日本一を決めるレースにたどり着いた。2人で滑るデュアルモーグルで、相手は世界選手権2位の伊藤みき。「楽しもう」と心を決めて滑りだし、伊藤に先着した。総合力で及ばず準優勝だったが、16歳にとって大きな勲章になった。
「ラッキーです」と振り返った通り、幸運が重なった。決勝T1回戦は予選1位通過の村田が負傷で欠場。準決勝は、相手が転倒して自滅した。だが、予選で8位に入った実力があったからこそ、運を生かす場面に遭遇できた。
雪とは縁遠い、大阪府和泉市の出身。小学校4年の時、スキー好きの父が「白馬、行くで」と言いだして、引っ越してきた。自営業の父が、白馬に新たな仕事を見つけてきたという。幼少のころからスキーに親しんでいたこともあり、うれしい転校だった。
白馬中から、上村の母校白馬高に進学した。今年の全日本が行われた、さのさかスキー場は、日ごろから練習している「庭」のような場所。タイムだけなら、予選2位というスピード感ある滑りを生かし、頭角を現した。
前日のモーグルは予選で敗退するなど、すぐに五輪を目指せるレベルにはない。しかし、将来の夢は膨らんできた。「世界を目指したい。愛子さんみたいな選手になりたいです」。関西弁が残りつつ、滑りは雪国仕込み。世界トップレベルの日本女子モーグル界に、新星が現れた。【佐々木一郎】


