<柔道:全日本女子選手権>◇19日◇横浜文化体育館◇無差別級
日本女子最重量級のエース・塚田真希(27=綜合警備保障)が苦難を乗り越え、8連覇を達成した。2週間前の選抜体重別選手権では杉本美香(24)に敗れ、連覇が「6」でストップ。新世代の台頭に危機感を抱いて臨んだ大会で、準決勝で杉本に優勢勝ちでリベンジし、決勝では中沢さえ(25)から1本勝ちを収めた。試合後には8月の世界選手権(ロッテルダム)の78キロ超級の代表に選出された。
8連覇の重みを感じていたからこそ、自然とガッツポーズが出た。塚田は決勝で中沢を豪快な大外刈りで1本勝ちに仕留めると、左拳を握り締めた。「気持ちがそれだけ張り詰めていた。(ガッツポーズを)止める余裕もないくらい、うれしかったし、集中していた」と振り返った。
挑戦者のつもりだった。2週間前の選抜体重別選手権で杉本に1本負け。04年アテネ五輪78キロ超級で金、昨年の北京五輪同級で銀メダルの塚田が、日本人に負けたのは7年ぶりだった。
北京五輪以来の復帰戦で周囲は同情もしたが、本人の心中は穏やかでなかった。「何度も『自分はどうしたんだろう?』と自問自答した」。折れかけた心をつなぎとめたのは周囲の励ましと、勝利への執着心。「いろんな人がメールで励ましてくれた。最後は自分の勝ちたい気持ちもモチベーションになった」。選抜後、1日の休養を挟んで練習を再開。母校東海大での練習で、約7、8割を男子選手相手に、大会に備えた。
初戦前は何度も自ら顔面をたたいて闘魂注入。リベンジ戦となった準決勝の杉本戦では相手の背負い投げを隅落としで返し、有効を奪って勝利した。決勝前は所属先の同僚の中沢にも慣れ親しんだ雰囲気は出せなかった。「頑張ろうね、と言おうかと思ったけど余裕がなかった」。それほど必死だった。
8連覇で大会記録を今年も更新したが「どこまで伸ばす?
そういうことは全然考えられない」と数字に執着はない。「取りあえず世界(選手権)で勝ちたい気持ちが強い」。07年大会無差別級に続く世界一の座に挑む。【広重竜太郎】


