<陸上:織田記念国際>◇29日◇広島広域公園陸上競技場

 女子ハンマー投げと円盤投げの2種目を制した日本記録保持者・室伏由佳(32=ミズノ)が、右の卵巣のう腫が破裂していたことを告白した。3月中旬に4日間の入院を余儀なくされ、現役引退を考えるほど追い詰められた中で、第一人者の意地をみせた。

 室伏が意を決して卵巣内の病を告白した。「これは言わないように、と考えていたけど…。疲労などから体を悪くしました。心身ともにフラフラで、復帰も迷いました」。昨年12月に一般男性と結婚後、年内に倒れ、さらに3月中旬に3泊4日の緊急入院を余儀なくされ、体重は8キロ減ったという。「最終的には切らないと完治しない」と前置きした上で「今は右の卵巣のう腫が破裂したことで競技可能」と話した。

 担当医から「思い切ってやってください」と励まされたこの日は、震える足でフィールドに向かった。ハンマー投げ、円盤投げとも自己の持つ日本記録に及ばなかったが、61メートル50、54メートル20でV。「日本選手権(6月、広島)で勝たないと」と言い聞かせるように話していた。