<陸上:静岡国際>◇3日◇静岡・エコパスタジアム

 男子棒高跳びで、富士宮北高出の鈴木崇文(21=東海大4年)が、静岡県勢同士の激しい優勝争いを制し、5メートル55で大会連覇を達成した。5メートル45を3回目でかろうじてクリアすると、次の同50センチをパス。そして8月の世界陸上(ドイツ)のB標準記録となる同55センチを1回で決めて、逆転勝ちした。終始先行していた浜松市立高出の笹瀬弘樹(19=早大2年)は2位。このほかの県勢は女子200メートルで、三島北高出の長倉由佳(21=都留文科大4年)が、24秒44で7位に食い込んだ。

 鈴木が抜群の勝負強さを発揮して、見事に大会連覇を成し遂げた。日本記録(5メートル83)保持者の沢野大地が最初の5メートル45を跳べずに「記録なし」に終わる中、同じ高さを3回目にクリア。大きく揺れても落ちないバーを確認するとガッツポーズ。2歳下の笹瀬が、次の5メートル50をパスすると聞くと「次の1回目が勝負」と自分も続いた。狙い通り続く5メートル55を、鋭い踏み込みで軽々と成功。若いライバルの焦りを誘った。

 「最初は踏み切りのタイミングが合っていなかったけど、なんとかなると感じていた。でも、今日はもっと記録を狙っていたのに、勝ちにこだわってしまうあたりがまだ甘いですね」と反省した。それでも、今季初の国際大会で、自己タイ記録を出して、世界陸上B標準をクリア。「学生時代に世界陸上に出るのが夢なんです。これで行けるかも…」と笑顔だった。