<テニス:ウィンブルドン選手権>◇12日目◇4日(日本時間5日)◇ロンドン郊外・オールイングランド・クラブ

 ウィリアムズ姉妹が2年連続でウィンブルドンの女子タイトルを独占した。ダブルス決勝で、スタブス、ストーサー組(オーストラリア)を破り、連覇を達成。前年に続く姉妹対決となったシングルス決勝で世界3位の姉ビーナス(29=米国)にストレート勝ちした、同2位の妹セリーナ(27=米国)は2冠を達成。姉妹で今大会150万5000ポンド(約2億4393万円)を稼いだ。

 テニスの聖地で今年もウィリアムズ姉妹が栄冠を独占した。シングルスの優勝と準優勝を分け合い、2人で組んだダブルスでも連覇。2冠のセリーナは「最高の1日となった」と感激。シングルスで敗れたビーナスも「家族にすべてのタイトルを持って帰ることができる」と敗者とは思えない喜びようだった。

 02年に4大大会のうち全豪をのぞく3大会で、シングルス決勝が姉妹対決になった。当時が「姉妹の全盛期」といわれた。以降2人は、装飾のデザイン会社を経営。故障などもあり、テニスへの集中力を欠いた。06年にはセリーナが世界100位以下に転落した。しかし、最近はその過渡期も乗り越えた。

 現在もほかの選手が年間20大会前後出場する中、15大会前後に出場数を絞ってツアーを転戦する。「人生はテニスだけではない。その分、テニスの時には集中する」(セリーナ)。全盛時の安定感は影を潜めたが、ペースが速い芝のウィンブルドンでは、まだまだ2人のパワーは健在だ。

 世界1位のサフィナや元1位のヤンコビッチらは4大大会無冠でトップの座に就いた。ウィリアムズ姉妹は現在、世界2、3位。それでも「私が世界1」とビーナス。2人合わせて4大大会18度目の優勝で、姉妹は円熟期を迎えた。