バンクーバー五輪出場を目指すアルペンスキーの佐々木明(28)と、レスリングの元世界女王の山本美憂(35)の長男アーセン君(13)が25日、ハンガリーでのレスリング留学へ出発した。この日、美憂夫人ら家族とともに拠点にしているオーストリアへ出発した佐々木とともに、アーセン君も一緒に成田空港を飛び立った。最低3年の長期滞在を予定しており、目標にしている16年五輪を「最初で最後」の挑戦とし、山本家悲願の金メダルをつかむことを誓った。

 アーセン君

 16年の五輪で金メダルを取る。でも五輪はそれが最初で最後。僕は人生を楽しみたい派。レゲエ歌手になってカンボジアとかに寄付したり、人と人をつなぐような仕事がしたい。

 五輪での金メダル獲得は山本家の悲願でもある。祖父の山本郁栄氏は72年ミュンヘン五輪に出場も5回戦負け。母美憂、叔父“KID”徳郁は五輪出場をかなえられず、叔母の聖子も夢実現のため今年現役復帰した。「みんなの思いを背負って戦いたい」と話す。レスリング強豪国のハンガリーではスポーツ養成学校に通い、レスリング漬けの日々を過ごす。KIDと同じ総合格闘家の道については「痛いのは嫌なんで」と苦笑いしたが、大志を抱き、希望に向かってひた走る。【広重竜太郎】