3日に行われる全日本剣道選手権(東京・日本武道館)で若生大輔(32=北海道警、6段)が、悲願の初優勝を目指す。昨年の決勝では延長にもつれ込む死闘の末、準優勝に終わった。悔しさをバネに、「集中、我慢、決断」をテーマに「心」に磨きをかけたベテラン道産子剣士が、道勢では3人目となる全国一へ突き進む。
「今年こそ日本一に-」。若生は、全日本での目標を力強く口にした。07年に初めてベスト8入りし、5度目の出場となった昨年は、181センチの長身を生かした重厚な構えから打ち込んで勝ち進み、道勢5人目の決勝進出を果たした。10分で決着がつかず、延長9分58秒にメンを奪われ、涙をのんだ。「勝負をかけてはいけないところで動き、迷いがあった」と振り返る。
それでも自己最高成績、道勢では3人目の準優勝と確かな手応えをつかんだ。今年8月の世界選手権(ブラジル)では初の代表入りを果たした。当初40人の中から、海外合宿などを経て代表10人の枠に残った。「あそこで生き残れないようでは、今年の日本一はないと思っていた」。ベスト8入りした同選手権では「勝負に対する執着心、取り組む姿勢が違った。得るものは大きかった」と話す。
今年4月から道警チームの主将を務めている。練習メニューの組み立て、計画を立てるなど、16人のチームをけん引する。「自分が見本、背中を見せていかないと、まとまらないので」。24時間の夜勤明けで臨む2時間の練習でも、常に集中力を切らさず、「我慢、決断」をモットーに指導し、自らも取り組んできた。業務で練習量が足りない時は、出げいこに向かい、自宅周辺を走り込むなど、鍛え抜いている。
元世界王者の栄花直輝監督(42、7段=喜茂別町出身)のもと、全国制覇を目指す。今大会は同じ第1ブロックに、07年覇者で今夏の世界選手権個人優勝の寺本将司(34=大阪府警)がおり、勝ち進めば2回戦での対戦が濃厚だ。厚い壁が立ちはだかるが、「自分の持っているものを100%出し切って1人1人、1戦1戦を戦うだけ」。“栄花2世”の呼び声高い道産子剣士は、臆(おく)することなく立ち向かう。【奥村晶治】



