ビーチバレー界のアイドル、浅尾美和(23)西堀健実(28=ともにエスワン)組がペアを電撃解消した。所属事務所のエスワンが16日、発表した。2人はともに12年ロンドン五輪出場を目指すために現ペアでの限界を感じ、新たな形で再出発することを決めた。西堀は浦田聖子(28)との新ペア結成が有力。浅尾の相手は有力候補がまだなく、宙に浮いた状態という。18日に2人が都内で会見を開く。

 突然の発表だった。日本のビーチバレーの象徴のようなペアが解散を表明した。所属先のエスワンの曽根康浩社長は「成績が長い間、ほぼ同じ状態で変わらない。新しい気持ちで五輪を目指すなら、このタイミングしかない」と、解散理由を説明した。

 8日に終了した世界ツアーのタイオープンで予選2回戦敗退に終わり、決断した。大会終了後、曽根社長に2人の方から「このままでは五輪に出られるペアではない」と解散を申し出てきたという。数日の話し合いを経て解散を決めた。

 浅尾、西堀ペアは05年10月に東京オープンで初めて結成された。06年から固定ペアとして組み始め4年。浅尾の美ぼうとビキニがウエアというスタイルから、人気が爆発した。08年北京五輪前には、盗撮騒ぎで逮捕者が出るまで、2人の人気はヒートアップした。

 その半面、国内ツアーでは2度の準優勝が最高成績。ツアーではないが、優勝も昨年の全日本女子と今年のビーチバレージャパンの2回だけ。ツアー13度の3位が定位置で、世界ツアーでも予選敗退がほとんどと、ペアの実力に限界が見えていたことも事実だ。

 今後の2人だが、関係者によると西堀は浦田との新ペア結成が有力だ。今年、ツアー1勝を挙げた浦田、楠原組は、楠原が今年で引退を表明しており、浦田は新しい相棒を探している。浅尾は、インドアの元日本代表・菅山かおるとの夢のペア結成が期待されるが「100%ない」(曽根社長)。来年デビューがうわさされるインドア元日本代表の宝来麻紀子とのペアリングも、宝来のマネジメント事務所が否定した。スポーツ界最大のアイドルの行方は宙に浮いた格好だ。