高校生チームとして今月のバンクーバー五輪カーリング代表決定戦で注目を集めた常呂高が「チーム札幌国際大」として再出発する。常呂高の吉村紗也香(17)ら4人が19日、札幌国際大の推薦入試に合格した。大学では氷上部に入部し、同部内に新設されるカーリング部門でレベルアップを図る。今度は女子大生で14年ソチ五輪を目指すことになった。

 夢舞台への片道切符が届いた。この日、普段通り高校に通学していた4人は、2時限目終了時に関係者から合格を伝え聞いた。吉村は「良かったです。これでまた4人でできる。安心しました」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 スキップの吉村のほか、セカンドの氏原梨沙、サードの井田莉奈(ともに17)の3人は短大、リードの石垣真央(17)が4年制に進学する。それに伴い、入学後はチーム名を「チーム札幌国際大」に変更。高校生で果たせなかった五輪出場の夢を、今度は女子大生として目指す。石垣は「4人で続けられるので楽しみです」と言えば、井田は「これで不安がなくなった。カーリングに打ち込めます」、氏原も「勉強とカーリング大変だけど両立したい。遊んでいられません」と気を引き締めた。

 大学側も全面バックアップしていく方針だ。同大にはカーリング部はないが、アイスホッケーやフィギュアの選手が所属する氷上部があり、そこにカーリング部門が新設される。夏はトレーナーをつけ、学内のトレーニング施設で本格的に体幹などのフィジカル面を鍛える。

 冬は札幌市内にカーリングホールがないため、常呂カーリングホールのある地元北見で数回にわたり合宿を行う予定だ。氷上部の新井貢監督は「詳細はこれから話し合うが、彼女たちの夢の手助けが少しでもできれば」と話す。カーリングの技術的な部分は、現在コーチを務める小林博文氏が引き続き指導する。

 バンクーバー五輪は今月上旬の代表決定戦でチーム長野に敗れ逃したが、休む間もなく12月2日からは日本ジュニア選手権(長野・軽井沢)に出場。優勝すれば1月のパシフィックジュニア選手権(名寄)の代表権を獲得できる。吉村は「レベルアップしてソチ五輪に出たい」と意気込んだ。4人娘が5年後へ早くも新たな戦いをスタートさせた。【松末守司】