先月25日の事業仕分けで蓮舫参院議員(42)らから「縮減」を言い渡されたスポーツ予算をめぐり、日本のトップアスリートらが1日、抗議の記者会見を行った。04年アテネ五輪アーチェリー銀メダリストの山本博(47)は「鳩山首相がここ一番で締める(金メダルにちなんだ)金色ネクタイの色を、嫌味でない良いイメージとして世の中に広げたのはスポーツだ」と指摘。「いいとこ取りだけでなく、理解してほしい」と理解を訴えた。

 5日に香港で開幕する東アジア大会の日本代表選手団結団式終了後、選手らが集まり、会見した。仕分け作業では、マイナー競技への補助金の必要性の有無も議論されたが、東アジア大会で旗手を務める重量挙げの三宅宏実(24)は「縮減では遠征できない。子育て支援同様、スポーツのことも考えていただきたい」とした。北京五輪フェンシングフルーレ個人銀メダルの太田雄貴(24)は「自己負担金ばかりで五輪出場権を取りに行っているマイナー競技もあることを知ってほしい。縮減では、あまりに悲しすぎる」と話した。

 縮減の評決を受けたのは「民間スポーツ振興費等補助金」32億9200万円。トップ選手強化を行う日本オリンピック委員会(JOC)には補助金の82・3%、27億1400万円が振り分けられる予定だった。予算については、12月中に編成され、来年1月の通常国会で審議される予定だが、「予算編成の日程すら組まれていない」(文科省関係者)という。