<レスリング:全日本選手権>◇23日◇東京・代々木第2体育館◇女子55キロ級ほか

 女子55キロ級は吉田沙保里(27=綜合警備保障)が圧勝で8連覇を達成した。

 右手首が折れていても、吉田の強さは際立っていた。女子55キロ級で五輪連覇も含め、世界大会9連覇中の女王は、約1カ月前に右手首を疲労骨折。動かせるまでに回復したが「手を突くと痛い状態」と試合もテーピングを巻いて臨んだ。だがフタを開けてみれば、初戦から決勝まで全3戦1分以内のフォール勝ちの「秒殺劇」だった。

 優勝インタビュー後にはプレゼンターとして来場していた横綱朝青龍から花束を渡され「朝青龍関の顔を見て、いい試合をしようと思った」と笑顔。五輪3連覇へ視界良好で「来年はアジア大会と世界選手権でしっかり勝ちたい」と、連勝街道を突き進むことをあらためて誓った。