バンクーバー五輪男子スケルトン19位の富士宮市出身の田山真輔(27=システックス)が、日本の「第一人者」としての自覚を口にした。今五輪で45歳のベテラン越和宏が引退。新エースの田山は、閉会式まで現地に残り、メダリストとの差を痛感し、悔しさを全身に染み込ませた。世界との“距離”を再確認した今大会で得たもの、そして次回14年のソチ五輪にかける思いを聞いた。
五輪の閉会式で周囲が「祭りの後」を楽しむ中、田山は、浮かれた気分にはなれなかった。
田山
好成績で閉会式を迎えられたら、違う五輪になった。19位では後味が良くないし、納得いかなかった。ほかの選手がフィギュアの浅田真央選手らいろんな人に「写真をお願いします」と言っているのを見て「その成績で恥ずかしくないのか」と思えてしまったんです。ライバルではないけど、同じアスリートとして負けている。「誰?」と思われるのも悔しい。
最終目標は、14年ソチ五輪だと大会前から公言してきた。それでも、自身初の五輪で、メダリストとの違いを思い知った。
田山
帰国した空港ではメダリストが最初に出て行ったんです。僕らの時はカメラは回っていないし、フラッシュもたかれなかった。「メダルを取った人との差は、こうも違うんだ」と感じました。自分が目立つためにも、競技のためにも成績を上げないといけない。越さんがいなくなり、国内でどんぐりの背比べではいけない。
世界との差。成績を上げるために、取り組むべき課題は見えている。
田山
スプリット記録(スタートダッシュ)で、トップ選手に0・2秒も離された。これでは戦いにならない。後半に正確な操作でそりにスピードを乗せないと巻き返しは厳しい。世界との差を感じました。
今大会の銀、銅メダリストらは、100メートル走が10秒台の持ち主。一方、田山らは、陸上練習をほとんどしなかった。
田山
今までは正しいフォームでそりに効率的に力を与える練習がほとんど。走っても30メートル走や15段くらいの階段ダッシュとか、中学、高校の陸上部の練習にしたら少ない。これからは、陸上の練習をメーンにしていかないと。今までスプリント練習をしてこなかった分、まだまだ伸びるという自信もあるんです。
ソチ五輪まで4年。だが「4年しかない」という思いの方が強いという。
田山
06年トリノから10年バンクーバーまでは、あっという間でした。次の4年も短いかな。でも、体力でも滑走でも、海外の選手に負けたくない。4年かけて、トップ選手に近づけるようにしたいです。【今村健人】



