<フィギュアスケート:世界選手権>◇4日目◇26日◇イタリア・トリノ、バラベラ競技場◇女子SPほか

 【トリノ=広重竜太郎】女子SPが始まり、五輪女子銀メダルの浅田真央(19=中京大)は68・08点で2位だったが、五輪女王の金妍児(19=韓国)が7位と大きく出遅れ、2年ぶりの優勝へチャンスが到来した。1位は2・32点差で長洲未来(16=米国)、安藤美姫(22=トヨタ自動車)は55・78点で11位、鈴木明子(24=邦和スポーツランド)は48・36点で20位だった。

 浅田は今季自己ベストの73・38点をマークした五輪時のように得点を伸ばせなかった。決まったかに見えた冒頭のトリプルアクセル(3回転半)が回転不足。その後は無難に演じ、演技後は及第点と感じたのか笑顔も見せた。だがキス&クライで採点を見ると少し表情を曇らせた。表現力を問われる5項目の演技点で、8点台は1つもなし。それでも「自分の気持ち的にはいい感じ。明日につながる」と前を向いた。

 男子の高橋の優勝に刺激を受けた。「高橋選手はケガから復帰した後、一緒に練習したことがある。素晴らしいと思います。(SPで)出遅れたけど、自分も頑張りたい」。まさかの出遅れを喫した金は今季限りで引退する可能性もあり、今大会で通算10回目となる名勝負がラストマッチとなる可能性がある。戦績は浅田の通算3勝6敗で、現在は4連敗中。27日のフリーで雌雄を決す。