スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で、08年北京五輪陸上男子ハンマー投げの成績が5位で確定することになった室伏広治(35=ミズノ)が11日、事態を冷静に受け止めた。都内で行われた故青木半治日本陸連名誉会長のお別れの会に出席後に「報道を通して知った。よりドーピングというものに注目が集まって、検査も厳しくなる。ロンドン五輪に向けて、私としては有利になる」と前向きに話した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は北京五輪で2、3位だったベラルーシの2選手をドーピング違反で失格とし、室伏は繰り上がり銅メダルのはずだった。だが、資格回復を求めた両選手の提訴を認める逆転裁定が下った。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「ドーピング処分が覆る異例の裁定。状況を把握して、場合によってはIOCに質問状を出すようなこともあるかもしれない」と話した。