バンクーバー五輪銀メダルで今季不振の浅田真央(20)がジャンプ復活の確信をつかめないまま、今日25日の女子ショートプログラム(SP)に挑む。復調気配を見せているが、24日の公式練習はルッツジャンプを4回連続で失敗するなど不安を露呈。踏み切った瞬間、回転が抜ける「パンク」を連発した。他のジャンプが比較的安定していた分、失敗が目立った。

 前日は取材禁止の選手に代わり、佐藤信夫コーチが現状の印象を語った。「確実によくなっているけど、本番でどうなるかは読めない」。フランス杯も練習では決して悪くはなかった。だが本番ではジャンプが総崩れ。練習だけでは太鼓判は押すことはできない。

 浅田は前日23日の練習後に「信夫先生とはSPは3回転半を2回転半にするという話になっている。でも、できればやりたい」と十八番のジャンプを封印する可能性も口にしていた。この日は3回中2回、着氷したが完ぺきな回転は1回。同コーチは「明日の朝、決めたい。本人はやりたがっているけど」と最終結論は当日に持ち越された。

 会場の外では雪がちらつき、ホワイトクリスマスとなった。佐藤コーチは「この大会が(浅田への)クリスマスプレゼントになれば」と願った。復活への滑走が、聖なる夜に始まる。【広重竜太郎】