<冬季アジア大会>◇5日◇カザフスタン・アスタナ

 フィギュアスケートの女子フリーで村上佳菜子(16=愛知・中京大中京高)が金メダルを獲得した。連続3回転ジャンプを決めるなど大きなミスなく滑り、合計177・04点でショートプログラム(SP)からの首位を守り圧勝。初の国際総合大会でアジアの頂点に立ち、3月の世界選手権(東京)へ弾みをつけた。今井遥(東京・日本橋女学館高)も合計167・00点で2位。日本は同種目で荒川静香、中野友加里に続き3連覇となった。

 きりりとした表情で演技を終えると思わずガッツポーズ。トレードマークの笑顔がはじけた。初めての国際総合大会で村上はSPに続きフリーも1位となり、合計得点は自己ベストに1・55点と迫った。「すごくうれしい。全体的に本当に良かった」。日本期待の星がアジアの頂点に立った。

 冒頭の2連続3回転ジャンプをきれいに決めて流れに乗った。2回転半ジャンプで軽く氷に手をついたことを除けば、目立った失敗はなかった。大人っぽい優雅な曲を、158センチの体をいっぱいに使って演じきった。

 シニアデビューの今季は経験を積むため、愛知県競技会などの小さな大会にも登場した。今季8戦目は、ほかのトップ選手よりはるかに多い。「試合がなくても練習の方が大変」というように、1日の練習は6時間に及ぶこともある。注目度はうなぎ上りだが「うれしいけど、まだそこまでの実力はない」と謙虚に努力を続ける。

 練習と実戦を重ねて成長を続けるホープは、シーズンの集大成となる3月の世界選手権(東京)の前にも2大会に出場する予定という。前評判通りの結果を出した16歳の高校1年生は「プレッシャーは全然なかった。次はSPもフリーも完璧な演技をしたい」と、にこやかな表情でさらなる飛躍を誓った。