ラグビー日本代表のジョン・カーワン・ヘッドコーチ(46)が、世界8強入りを目標に掲げた。日本協会は22日、ニュージーランド(NZ)で9月9日に開幕するW杯の登録メンバー30人を発表。同HCは母国開催のひのき舞台で「トップ8に入る」と高らかに宣言した。過去最多の外国出身10人を登録。過去最強布陣で世界を驚かせ、日本開催となる2019年W杯へ弾みをつける。

 かすかな手応えは、自信に変わった。07年のヘッドコーチ就任から丸4年。地道にまいた種は、ようやく芽を出し、花を咲かせようとしている。集大成として挑む母国開催のW杯。NZの英雄でもあるカーワンHCは、スーツに身を包み、真っすぐ前を向いて、はっきりとした口調で言った。

 「成功を勝ち取りたい。フランス、NZとは接戦を演じる。トンガ、カナダには勝つ。目標を成し遂げてトップ8に入る。そしてトップ8をたたくくらいにしたい。世界に日本のラグビーを見せて、15年W杯は確実にトップ8。(日本開催の)19年は決勝に立つ」

 思いはただ1つ。日本の力を、世界に見せる-。日本は過去6大会で通算1勝1分け18敗。これまでは世界8強など、夢のまた夢だった。だが同HCがいちずに育てた苗はすくすく育ち、W杯で対戦するトンガには5連勝中で、カナダにも2連勝中。フランス戦で奇跡を起こせば「夢」は現実になる。サッカー界では昨年のW杯南アフリカ大会で男子が世界16強入りを果たし、今年のW杯ドイツ大会では女子が優勝した。日本が結束すれば、奇跡は起きる。それは東日本大震災で傷ついた人々へ、生きるメッセージにもつながる。

 目標は「夢」で終わらせない。W杯メンバー30選手のうち、過去最多の外国出身選手10人(うち日本国籍取得は5人)を登録。それは、なりふり構わず結果を求める所信表明でもある。

 「彼らは日本を誇りに思っている。ラグビーに人種は関係ない。日本のランクを上げるために、今はまだ彼らの力が必要だ」

 世界に驚きを、日本に熱狂を-。カーワンジャパンが、NZで満開の花を咲かせる。【益子浩一】