日本体操協会は13日、12年ロンドン五輪予選を兼ねる新体操の世界選手権(19日開幕、フランス・モンペリエ)についてのリリースを配布した。12日にフランス南部のマルクールで核廃棄物処理施設が爆発し、1人が死亡、4人が負傷した事故を受け、安全最優先として日本代表を派遣するかどうかの検討に入った。

 開催地のモンペリエとマルクールは直線にしてわずか約100キロの距離だ。しかし、この日、フランス原子力安全局や関係当局が「いかなる汚染も確認されなかった」と発表したことで、フランス体操協会からは日本協会に、開催および選手団受け入れに影響がないとの連絡が入った。

 現時点では、日本代表を派遣することに変更はない。個人の日本代表は15日、団体代表は21日に出発予定だ。同協会の渡辺守成専務理事は「速やかに正確な情報収集を進めている。よほど最悪の場合でない限り、派遣に変更はない」と話した。

 東日本大震災に伴う福島第1原発の事故により、10月7日開幕の体操世界選手権の東京開催が一時は危ぶまれた。フィギュアの世界選手権など、多くの大会が中止になる中、日本体操協会は、科学的なデータに基づいた安全性を世界にアピールし、開催にこぎ着けた経緯がある。渡辺専務理事も「日本の時と同じ。気持ちはわかる」。

 加えて、今回の世界選手権には、ロンドン五輪への出場枠がかかる。「もし最悪の場合は、五輪がかかるため国際連盟が動くと思う」(渡辺専務理事)。一両日中にも、日本協会は日本代表の派遣について、最終結論を出す予定だ。