じゅうたんに学べ!

 レスリング男子フリー日本代表が20日、トルコで行われた世界選手権から帰国した。最終日の66キロ級で銀メダルを獲得した米満(よねみつ)達弘(25=自衛隊)は「金メダルが良かったなぁ」とぼやきながら「そんなに甘くないですね。この悔しさをロンドン五輪にぶつけます」と決意表明した。

 その決意を忘れず、なおかつ自身へのご褒美も兼ねようと一大決心の買い物をしてきた。それは4000トルコリラ(約17万円)もする、1畳分の大きさの高級トルコじゅうたん。「ターコイズ(トルコ石)ブルー」の言葉に表されるような鮮やかな青色の、シルク100%の一品だった。

 「日本と比べて3分の1の値段で買えることもあって、開いた瞬間に決めました。見る角度によって色が違うんです。表面がキラキラ輝いていて、まさに完成されたじゅうたん。芸術です。自分のレスリングも、これくらい完成度の高いものにしたいと思って」。

 3等陸尉の給料からすれば「とても大きい買い物」をしたのは、五輪に向けた自身への投資。「本物のじゅうたんには少しのすきもない。自分もすきのないレスリングをつくっていきたい」。手に入れた“魔法のじゅうたん”に乗って、五輪金メダルへ一直線だ。【今村健人】