<世界体操>◇4日目◇10日◇東京体育館

 男子団体総合予選が終了し、5連覇がかかる中国が3位と伸びず、日本の首位通過が決定。8位までのロンドン五輪出場権も獲得した。内村航平(22)は個人総合予選を1位で通過した。

 日本の最大のライバルとみられた中国が359・126点で、まさかの3位。日本男子が予選首位突破で、33年ぶりの団体総合金メダルへ大きく前進した。中国を会場で視察した立花泰則代表監督は「結果的には我々の戦略通りになった」と、自信を深めた。

 中国は3種目を終わって、日本に4・324点差をつけられる予想外の展開。後半の跳馬、平行棒で追い上げたが、日本を抜くどころか米国をも下回った。北京五輪つり輪金メダルの陳一氷は「今日はただの予選」と強がった。

 今大会は出来栄えを評価するE得点の出方が非常に厳しい。陳のつり輪でも、10点満点中8・900点と、好演技の目安とされる9点台に乗らない。美しさや正確性を武器にする日本には有利な傾向で、関係者によると、採点法が違うが「(評価は)アテネ五輪以来の厳しさ」。同五輪で日本は団体総合金メダルに輝いている。

 この日の日本チームは本格的な練習はしなかった。内村らは多機能情報端末で他国選手の映像をチェック。予選で頭部を強打した田中佑は練習を休んだ。立花監督は「決勝では、みんなが18演技をつないで、最後は内村で決めてもらう」と、78年ストラスブール大会以来の金メダルへ最高の準備が整った。