岩手県釜石市に拠点を置く釜石シーウェイブスの選手らに対し、東日本大震災で被災したことに関連した暴言を吐いたとして、関東協会が横河電機の選手に対し、30日の出場停止処分を科したことが、12日までに分かった。関係者によると、盛岡市で9月25日に行われたトップイーストリーグの試合後半、横河の選手がスクラムを組む際に「震災で頭おかしくなったんちゃうか?」などと発言したという。両チームのスクラムがかみ合わない場面が続いたため、徐々にヒートアップしたとみられる。

 試合後は横河の選手、監督から直接の謝罪を受けたが、釜石には津波で家を流された選手もおり、選手から「配慮を欠いているのではないか」と困惑の声が出たという。チームは再発防止の意味を込めて協会に報告。事態を重く見た協会が、横河から事情を聴き、9日の規律委員会で処分を決めた。

 釜石の高橋善幸GMは「同じラグビーをする仲間として良くないこと。ただ謝罪も受け、選手も反省しているということで、お互いの間ではわだかまりなく決着した」と説明した。