<世界体操>◇最終日◇16日◇東京体育館

 種目別決勝の跳馬で沖口誠(25=コナミ)が銅メダルを獲得した。

 3位が確定すると、沖口は満面の笑みで親指を突き出した。チームで3番目に小柄な161センチが、ゴムまりのように跳ねた。1本目、自らが岡山・関西高時代に日本人として初成功させた大技の伸身カサマツ跳び2回ひねり(ロペス)を成功させた。2本目も高難度の技の前転跳び前方伸身宙返り2回半ひねり(ヨー2)を決めた。「2本目は練習では立てないけど、調子が良くて立てると信じられた」。幼少時代、サッカーとの二刀流で養った脚力が、大舞台でものを言った。

 日本の跳馬の第一人者が初の個人でのメダルを手にした。世界選手権では91年インディアナポリス大会の相原豊(銅)以来の同種目メダル。欧州や中国に後れを取ってきた種目で戦える手応えをつかんだが、ロンドン五輪へは全6種目に出た内村の負担軽減を課題に挙げた。「航平の6種目が4種目になれば、日本は最強チームになる。つり輪ぐらいできれば負担を減らせるかな」。五輪の団体金へ万能型への脱皮を誓った。【森本隆】